
6時に目が覚めた。
腹痛のせいで眠りは浅かったが、夜は静かだった。聞こえてくるのは、遠くから届くイビキくらいだ。季節外れの鈴虫が潜んでいるのかと思うほど、複数の声が輪唱していた。悪くない夜だったと、今になれば思う。
朝食はいつものキャンプメニュー。ご飯、納豆、鮭、目玉焼き、豚汁。前夜の腹痛が嘘のように、朝から満腹になった。しっかり食べると、身体が少しずつ戻ってくる感じがした。
チェックアウトまで、特に何もしなかった。
周囲は少しずつ慌ただしくなっていく。片付けて去る人、場所を探して入ってくる人。風景が入れ替わる中で、私たちだけ時間の外にいるようだった。急がなくていい。その贅沢さを、キャンプの最後にいつも感じる。
暖かい気候だったので、恒例の風呂は省いた。昼食だけとって帰ることにした。
向かったのは、30年以上通っているラーメン店だ。久しぶりに食べる味は、変わっていなかった。変わらないということが、これほど安心感を与えるものかと毎回思う。
帰り道に洗車をした。値段が上がっていた。それでもすっきりした車で走ると、気持ちも少し軽くなった気がした。
帰宅すると、家の空気にほっとした。
読書をして、見逃していた番組を確認する。今日は春というより初夏の暑さだった。キャンプの二日間が、もう遠い話のように感じた。